11/4オーストラリア戦 意識していた『ラッシュDF』
日本が30-63で完敗。
覚悟の上だったが、失点が多くなってしまった。
しかし、この日スタジアムに集まった国内での代表戦最多記録となる
43,621人の観客は、今ジャパンが目指すラグビーの形を再確認できたに違いない。
高速DF、いわばラッシュDFだ。
このDFはまさに最初から貫かれていた。
出足を崩されて、オーストラリアも苦戦した。
世界選抜戦とは違い、隙間なくまるでイコライザーの曲線のように整然とDFラインが
守られ、かつ「ラッシュ」していた。
これは見事だった。短期間で修正してきたのがはっきりわかる。
しかし、特に前半はスクラム、ラインアウトにミスやペナルティーが多く、
簡単にゴール前まで運ばれTRYを量産された。
オーストラリアの強力なBK陣に再三ブレイクされてしまったのは、
フィジカルの弱さとタックル精度の悪さだったと思う。
攻撃面では、特に流と田村選手を投入したあたりからよくなってきた。
田村のロングタッチキックで敵陣深くまで蹴りだしたり、
ベテランのスキルなどによりチームが全体的に落ち着いてきた。
自陣ゴールからでもパスして攻めようという決まり事だったのかもしれないが、
それが災いしてTRYされてしまったこともあった。やはり自陣ゴールラインからはタッチキックで逃れた方がいい。若手の判断ミスも響いた。
それでも、後半のスコアが27-28で互角だった日本代表を評価すべきだと思う。いつもは後半に失速するはずが、最後の10分は日本が支配したと豪のキャプテンのフーパーが言っていたように、最後まで全力で戦えたことは大きな成長。
ビンピー・ファンデルバルトのトライをアシストした1番の稲垣選手。
最後の姫野のトライをアシストした6番リーチ・マイケル。
若手とベテランのナイスコンビネーションだった。
これだけ点差がついたものの、スタッツはゲインされてランメーターが違うもののほぼ同等であったのは意外だった。
防戦一方の前半から後半になると一転し、日本が攻めるシーンも多く見られ今後に期待を抱かせる試合となった。
アタックは通用、スタッツ的には大きな問題はなかった。
課題は明確で規律を欠いたペナルティーや判断のミスとタックル精度・強度。
残りのテストマッチはフランスに移動してのトンガ戦とフランス代表戦。ディフェンスの課題克服に注力して、2連勝を目指したい。