ラグビー情報発信ブログ

2019ラグビーW杯と2020東京五輪男女七人制ラグビーに向けて様々なラグビー情報を発信するブログ

フランス遠征の成果の陰に、サンウルブズで培った自主性・順応性あり

フランス戦での善戦の要因の一つは、

選手たちの順応性だと堀江選手は述べた。

控え選手も含め、全選手がフィールド外で自主的に

戦術や修正点を話し合ったと流選手も語った。

 

ジョセフHCもキックするか、ボールを持って攻めるかのバランスを

幾分変更してきているようだ。

フランス戦では、世界選抜やオーストラリア戦とは逆にパスラグビー

重点を置いていた。要所でスペースに蹴ったり、マイボールにするために

蹴ることはあっても、ほとんどパスを回して速攻を仕掛けた。

いわゆるランニングラグビーが功を奏した一例は、

後半3分のノーホイッスルトライだ。

 

最近ではスコットランド戦で2回程見せたつなぎのトライと同様だ。

やはりアタックとしてパスラグビーは欠かせないことを

ジョセフも容認したのかもしれない。

 

選手たちの自主性や順応性が成果を表したのは特にDFだと思う。

やみくもに前に出たり、でこぼこのDFラインになることなく

しっかりデザインされたDFだった。

この修正は、コーチというより選手間の連携の問題なので、

多くの話し合いと練習を自主的に行った成果といえる。

 

実はこの自主性はジョセフHCの基本的指導であるものの、

図らずもサンウルブズで培ってきたものだといえよう。

サンウルブズ初年度から、専門のコーチも数少なく

自分たちで「自主的に」何とかやってきた経緯が

いま生きてきていると考えられる。

 

昨年はメンバーがころころ変わり、スクラムコーチはついたものの

ラインアウトのコーチなどまだ必要な指導者がいなかった。

新しく入った選手たちと連携するには、話し合いと

順応性を体現しなければできるものではない。

 

しかし、そこでの苦労がジョセフの自主性を重んじる方針と相まって、

ジャパンが短期間で課題を克服する原動力となっている。

実際に幾人かの選手たちが異口同音に自主性や順応性の向上を証言している。

 

エディのトップダウン式の指導ではなく、

自主的に主体性を持って行動する、判断することは

ラグビーをプレイする上でもとても重要な要素となる。

瞬時の判断や戦略の変更などはフィールドに立つ選手たちが

やらなければならない。決め事が一つ狂うとすべてが崩れてしまうなら、

大敗は免れない。すぐに選手間で修正し、判断しチームを勝利へと

導いてゆく必要がある。

そこでもやはり「自主性と順応性」が試される。

その土台がすでに出来つつあるといえるだろう。

 

サンウルブズで試行錯誤してきたことは無駄ではなかった。

フィジカルはこれからだが、勝つために大切な自主的コミュニケーションと

修正能力はできているといっていい。

誰が日本代表になっても、この能力、文化があれば

勝つための力になるはずである。

 

この秋までに得た大きな収穫である。